- Q
クレジットカードの支払いが遅れるとブラックリストに載りますか?
- A
信用情報機関に「ブラックリスト」という名前のリストは存在しません。
CICは公式で「当社が保有する信用情報に、ブラックリストという名のリストはありません。保有しているのは、客観的な取引事実を表す信用情報になります」と説明しています。支払いが遅れた場合は、その内容が事実として信用情報に反映される仕組みです。
スマホ決済や電子マネーが普及し、「クレジットカードはいらない」と考える人は少なくありません。実際、買い物だけを考えればカードがなくても困る場面は減っています。一方で、信用情報の記録や海外での支払いなど、カードがないと選択肢が狭まる場面もあります。本記事では、いらない派の理由と、持たない場合に知っておきたいことを、公的機関や信用情報機関の公表情報をもとに整理します。
- 「いらない」と考える主な理由は、使いすぎへの不安とライフスタイルとの相性
- 日本のクレジットカード保有率は85%(JCB調査・2025年度版)
- 信用情報機関には「ブラックリスト」という名のリストは存在しない
- 審査の基準は各カード会社が独自に定めており、公開されていない
- 海外ではカードが身分証明の役割を果たし、決済手段としても使える場面が多い
- 「クレジットカードはいらない」と考える人の理由
- 見えないお金にストレスを感じる
- ライフスタイルに合わない
- クレジットカードを持つ意味とは
- オンラインでの買い物に役立つ
- 高額な買い物で現金を持ち歩かなくてよい
- 支払い実績が信用情報として記録される
- 海外ではクレジットカードが必要になる場面が多い
- 現金より安全に買い物ができる
- レンタカーやホテルの予約に求められることがある
- 日本のスマホ決済は海外では使える範囲が限られる
- クレジットカードを全く持たない場合に知っておきたいこと
- 信用情報に取引の記録が残らない
- 審査の基準は公開されていない
- クレジットカードは何枚持つとよいの?
- 2〜3枚ほど持っていると安心
- 自分が管理できる枚数がベター
- 使うカードだけを持ち歩こう
- クレジットカードがいらないか迷う人のよくある質問(Q&A)
- まとめ|クレジットカードがいらないかは使う場面で決めよう
「クレジットカードはいらない」と考える人の理由
JCBが2026年2月に公表した「キャッシュレスに関する総合調査」2025年度版によると、クレジットカードの保有率は85%でした(20〜60代の一般消費者3,500人が対象)。多くの人が持っている一方で、「いらない」と考える人も一定数います。理由は人それぞれですが、「使いすぎへの不安」と「ライフスタイルに合わないこと」が主なものとして挙げられます。
JCBがキャッシュレスに関する総合調査の結果を発表|株式会社ジェーシービー
見えないお金にストレスを感じる
クレジットカードは「無駄遣い」をするリスクがあります。財布や銀行口座にお金がなくても、カードの利用可能枠の範囲内であれば決済ができるため、人によっては金銭感覚がつかみにくくなるのです。
一方、現金払いでは、支払いの際に「財布にいくらお金が入っているか」を必ずチェックします。残額が足りなければ買い物はできませんし、「今月はちょっと使いすぎたかも…」とお金の使い方を振り返ることもできるでしょう。
クレジットカードは「いくら使ったか」や「あといくら使えるのか」がすぐに分かりにくいのがネックです。カードの利用明細を見て、初めて危機感を覚える人も少なくありません。なお、最近は利用のたびに通知を送るサービスやアプリでの利用明細確認を用意しているカード会社も多く、使い方しだいで管理はしやすくなっています。
ライフスタイルに合わない
クレジットカードが自分のライフスタイルに合わないケースもあります。「高額決済をしない」「小さな個人商店を利用する機会が多い」「海外に行かない」といった場合、クレジットカードを使うメリットはそれほど大きくありません。
コンビニや飲食店では、「スマホ決済」や「電子マネー」の方が手早く済むこともあり、カードの出番が少なくなる傾向があります。
また、カードによっては年会費がかかります。年会費無料のカードもありますが、使う予定がないまま持ち続けると、明細を確認する習慣がなくなり不正利用や紛失に気付きにくくなるというリスクもあります。使わないカードを整理するという判断も、一つの考え方でしょう。
クレジットカードを持つ意味とは
電子マネーやスマホ決済などの便利なキャッシュレス手段が増え、「前よりもクレジットカードを使う場面が減った」という人もいるのではないでしょうか?ただ、カードには現金払いやほかの決済方法にはないメリットがあるのも事実です。
オンラインでの買い物に役立つ
公正取引委員会が2019年に公表した「クレジットカードに関する取引実態調査報告書」では、カード会員へのウェブ調査(回答者数1,965人・複数回答)で、クレジットカードの使用機会として最も多かったのは「インターネットで買い物をするとき」で90%でした。
オンラインショッピングでカード決済をするメリットは、「振込手数料」や「代引き手数料」がかからないことです。手数料は数百円程度ですが、買い物の回数が多い人は出費が積み重なってしまうでしょう。
カード払いの場合、コンビニや金融機関の窓口に足を運ぶ必要もなく、カード情報の入力だけで決済が完了します。加えて、利用代金が翌月または翌々月に請求されるため、手元にお金がなくてもショッピングができます。
(平成31年3月13日)クレジットカードに関する取引実態調査について:公正取引委員会
高額な買い物で現金を持ち歩かなくてよい
同じ調査で、「インターネットで買い物をするとき」に次いでクレジットカードの使用機会が多かったのは「高額な買い物をするとき」で65%です。
家具購入やまとまった契約などで数万円、数十万円のお金を支払う場合、現金払いよりもカード払いの方が持ち運びの負担が少なく、支払いもスムーズです。支払う側はもちろん、受け取った側も「盗難」や「紛失」のリスクを気にせずに取引ができるでしょう。
警視庁の「遺失物取扱状況(令和7年中)」によると、2025年に東京都内で拾得届が出された現金は4,508,824,075円(約45億円)にのぼります。落とした財布が戻るケースもありますが、戻らないことも多いため、多額の現金の持ち歩きは控えるのが賢明です。
支払い実績が信用情報として記録される
クレジットカードを契約すると、その内容と支払い状況は「信用情報機関」に登録されます。国内の主な指定信用情報機関はCIC(株式会社シー・アイ・シー)とJICC(株式会社日本信用情報機構)で、銀行系には全国銀行個人信用情報センターがあります。
CICによると、登録されるのは「契約日、契約の種類、商品名、支払回数、契約額(極度額)、契約終了予定日、登録会社名等」や「報告日、残債額、請求額、入金額、入金履歴、異動(延滞・保証履行・破産)の有無」といった客観的な取引事実です。CICは「信用情報には人種や思想、保健医療、犯罪歴などの項目は、一切含まれません」とも明記しています。
つまり、カードを使って期日どおりに支払っていけば、その事実が記録として残ります。これは「カードを持てば信用が上がる」という意味ではなく、取引の事実が残るかどうかの違いだと理解しておきましょう。
CICが保有する信用情報|信用情報とは|指定信用情報機関のCIC
海外ではクレジットカードが必要になる場面が多い
日本では現金払いでも、海外旅行の際はクレジットカードを携帯する人が多いようです。海外ではカードが決済手段としてだけでなく、本人確認の手段としても求められる場面があります。
現金より安全に買い物ができる
渡航先にもよりますが、海外では観光客を狙った「盗難」や「詐欺」への注意が必要です。多額の現金を持ち歩かないのが基本と考えましょう。盗まれた現金は戻ってこない前提で行動するのが安全です。
一方、カードが不正に使われた場合は、カード会社の補償を受けられる可能性があります。楽天カードは「万が一、不正に利用されていることが判明した場合は所定の手続きと調査のうえ、会員様に過失がないと判断した場合は、会員様に不正使用額をご負担いただくことはございません」と案内しています。補償の条件はカード会社ごとに異なるため、渡航前に自分のカードの規定と緊急連絡先を確認しておきましょう。
また、カード払いは「現地通貨への両替」が不要なのもメリットです。現金が必要になった際は、海外キャッシングに対応したカードであれば現地のATMで現地通貨を引き出せます。ただしキャッシングは借り入れなので所定の利息がかかります。両替とどちらが有利かは、利用日数や各社の手数料によって変わるため、事前に条件を確認しましょう。
レンタカーやホテルの予約に求められることがある
海外のホテルでは、チェックイン時に「デポジット(保証金)」を求められることがあります。これは、食事代や電話代といった「宿泊料金以外の費用」の支払いを保証するためのもので、利用がなければチェックアウトの際に返金されるのが一般的です。
レンタカーを利用する際も、同様に一定額の預託を求められることがあります。
ホテルやレンタカー会社の中には、デポジットの支払い手段をクレジットカードに限定しているところがあります。海外ではクレジットカードが身分証明の役割を果たすこともあり、カードがないとサービスが利用できないケースも少なくありません。渡航前に、利用予定の施設が現金や他の手段に対応しているかを確認しておくと安心です。
日本のスマホ決済は海外では使える範囲が限られる
日本国内で使っているスマホ決済や電子マネーが、そのまま海外で使えるとは限りません。対応している国・地域や加盟店が限定されているため、渡航先での主要な支払い手段にはしづらいのが実情です。
たとえばPayPayは、2025年9月24日以降「海外支払いモード」を提供しています。ただし公式が案内している利用可能な国・地域は「韓国のAlipay+加盟店」と「台湾のTWQR加盟店」で、利用には日本国内での本人確認が完了している必要があります。支払い金額には所定の海外事務手数料(3.85%・税込)が加わります。
なお、LINE Payは日本国内でのサービスを2025年4月30日に終了しています。また、楽天Edyのように国内での利用を前提としたサービスもあります。
その点、クレジットカードは、カードに付いている国際ブランドの加盟店であれば海外でも利用できます。加盟店の数が多いVisaやMastercardのカードを1枚持っておくと、支払い手段に困る場面を減らせるでしょう。近年はカードをかざすだけで支払えるタッチ決済に対応した店舗も増えており、スマートフォンに登録して使うこともできます。
クレジットカードを全く持たない場合に知っておきたいこと
「これからクレジットカードを使う予定はない」という人も、カードを持たないことで何が変わるのかは知っておくとよいでしょう。買い物には不便を感じないかもしれませんが、信用情報の記録という点では違いが出ます。
信用情報に取引の記録が残らない
CICによると、信用情報の保有期間は情報の種類ごとに決まっており、クレジット情報(契約内容と支払状況)は「契約期間中および契約終了後5年以内」、申込情報は「照会日より6ヶ月間」、利用記録は「利用日より6ヶ月間」とされています。期間が過ぎた情報は自動的に抹消されます。
クレジットカードやローンを一度も契約したことがない人は、このクレジット情報が登録されていない状態になります。俗に「スーパーホワイト」と呼ばれることがありますが、これは信用情報機関が定めた区分ではありません。
なお、信用情報について広まりがちな誤解として「ブラックリスト」があります。CICは公式で「当社が保有する信用情報に、ブラックリストという名のリストはありません。保有しているのは、客観的な取引事実を表す信用情報になります」と説明しています。支払いが遅れた場合は、その内容が事実として反映される仕組みです。
支払いが遅れると、ブラックリストとしてCICに登録されるのですか?|指定信用情報機関のCIC
審査の基準は公開されていない
「カードを持っていないと審査で不利になるのでは」と気にする人もいますが、審査の基準は各カード会社が独自に定めており、公開されていません。CICも「各クレジット会社では、独自の審査基準に基づいて審査を行っております」としたうえで、「CICでは否決された理由はわかりません」と説明しています。
そのため、「利用実績がないと審査に通らない」「これだけ使えば必ず通る」といったことは、誰にも断定できません。ネット上で語られる「スーパーホワイトだと不利」といった話も、公的な裏付けのあるものではない点に注意しましょう。
一方で、信用情報に取引の事実が残るのは、カードやローンなどの契約をした場合です。携帯電話端末の分割払い(割賦販売契約)のように、クレジットカード以外でも信用情報に登録される取引はあります。カードを持たない選択をする場合も、こうした支払いを遅れずに続けることは意味を持ちます。
クレジットカードは何枚持つとよいの?
クレジットカードの保有枚数に決まりはありませんが、何枚持つのが現実的なのでしょうか?「自己管理のしやすさ」「使いやすさ」「安全性」の面から考えてみましょう。
2〜3枚ほど持っていると安心
クレジットカードは1枚よりも、複数枚あると安心です。カードにはVisa・Mastercard・JCBといった「国際ブランド」が付いており、原則としてそのブランドの加盟店でしか使えません。
JCBのカードを持っていても、お店がVisaやMastercardにしか対応していなければ、そのカードでは決済できません。異なる国際ブランドのカードが2〜3枚あれば、支払いに困る場面を減らせるでしょう。カードが1枚だけだと、ロックや不正利用検知で一時的に使えなくなったときに代わりがない点も不安材料です。
また、カードの枚数だけ、カードに付帯する特典やキャンペーンを利用できるのもメリットです。「海外旅行傷害保険が付いている」「ポイント優待店が多い」「空港ラウンジサービスが利用できる」など、シーンに応じて使い分けるとよいでしょう。
自分が管理できる枚数がベター
一般社団法人日本クレジット協会が2025年11月に公表した調査によると、2025年3月末のクレジットカード発行枚数は3億2,057万枚で、前年比2.2%の増加でした。協会は参考値として「20歳以上の人口比では、1人当たり3.1枚保有」としています。
カードの適正枚数は人によって異なりますが、4枚、5枚と増えていくと、毎月の利用明細やパスワードの管理がしにくくなるのがデメリットです。
「ポイント」が分散してなかなか貯まらず、「ポイントの最低交換可能数」に満たないまま失効するケースも少なくありません。
「年会費がかさむ」「不正利用されても気付きにくい」といったマイナス点も挙げられるため、自分がしっかり管理できる枚数を持つのがベターです。
クレジットカード発行枚数調査結果の公表について|一般社団法人日本クレジット協会
使うカードだけを持ち歩こう
複数枚のカードを保有している人は、普段使うカードだけを持ち歩きましょう。以下の用途で使うカードは、自宅で管理するのがおすすめです。
・オンライン専用として使うカード
・公共料金やスマホ代の引き落としに使うカード
・海外旅行で使うカード
・入会特典目当てで作ったカード
カードを複数枚持ち歩いていると紛失したときが大変です。まず、各カード会社に連絡をして、カードの利用を止めてもらう必要があります。
不正利用にあった場合は補償を受けられる可能性がありますが、手続きには手間がかかります。警察への届け出や再発行の手続きも必要になるでしょう。
公共料金やスマホ代の支払いにカードを使っていたとすれば、各契約先での「支払い方法の再登録(変更)」も行わなければなりません。こうした手間を省くためにも、外出時に不要なカードは家に置いておくのがベストです。
クレジットカードがいらないか迷う人のよくある質問(Q&A)
「持たない」を選ぶ前に確認しておきたい点をまとめました。
まとめ|クレジットカードがいらないかは使う場面で決めよう
クレジットカードを持たなくても、国内の買い物で困る場面は減っています。「いらない」と感じる理由の多くは、使いすぎへの不安とライフスタイルとの相性で、どちらも合理的な判断です。
一方で、海外での支払いや本人確認、信用情報に取引の記録が残るかどうかといった点では違いが出ます。ネット上では「カードがないと審査に通らない」といった話も見かけますが、審査の基準は各カード会社が独自に定めており公開されていないため、断定できるものではありません。
どの支払い方法を選ぶかは個人の自由です。海外に行く予定があるか、まとまった買い物をするかといった自分の使う場面から必要性を判断するのがよいでしょう。既にカードを複数枚持っている人は、持ち歩く枚数を最小限にして管理しやすくするのがポイントです。