海外でクレジットカードを使おうとしたら「ZIP code(postal code)」の入力を求められて決済できなかった、という声は少なくありません。これはカード端末のAVSという本人確認の仕組みによるもので、日本の郵便番号では照合できないことが原因です。この記事では、郵便番号を求められたときの対処法を軸に、海外でカードが使えないケース、手数料や支払い方法の日本との違いまで、カード会社の公式案内をもとに解説します。
- 海外のセルフ端末で求められるZIP code(postal code)は郵便番号のこと。AVSという本人確認システムに日本の郵便番号が存在しないため、日本発行のカードは利用を断られることがある
- ZIP codeで弾かれたときは、有人のカウンターやスタンドを利用するのが公式の案内
- 海外でのカード利用は原則1回払い。分割やリボにしたい場合は出発前か帰国後の手続きが必要
- 海外事務手数料はカード会社ごとに異なり、公式が公表している率も1.6%から3.85%まで幅がある
- 日本円建てでの支払いを選ぶと加盟店独自のレートが適用されるため、現地通貨での決済が基本
- 海外でクレジットカードが使えないケースと対処法
- 郵便番号(ZIP code・postal code)の入力を求められる場合
- 暗証番号がわからない場合
- システムに不正利用を疑われた場合
- パスポートの提示を求められる場合
- 海外に行く前に準備すること
- 複数の国際ブランドのカードを用意
- カード会社の問い合わせ先を確認
- 海外旅行傷害保険は「付帯条件」まで確認する
- 支払方法で日本と違うところ
- 海外での利用は原則1回払い
- レストランでの使い方とチップ欄
- ホテル・レンタカーでは後から追加請求されることがある
- クレジットカード海外利用の注意点
- 海外事務手数料はカード会社によって違う
- 日本円での決済を選ぶと割高になることがある
- 決済時の確認とレシートの保管は必須
- スキミング等の犯罪に巻き込まれないために
- ICチップ付きカードを使う
- タッチ決済を活用する
- まとめ|海外の郵便番号入力は有人カウンターで対処する
海外でクレジットカードが使えないケースと対処法
日本でもクレジットカードがエラーで使えなくなることがありますが、海外でも同様です。「海外ならではの理由」で、クレジットカードが使えないケースもあります。主な例を見ていきましょう。
郵便番号(ZIP code・postal code)の入力を求められる場合
アメリカやカナダでは、クレジットカードの支払い時に「ZIP code」や「postal code」の入力を求められることがあります。どちらも郵便番号のことです。
クレディセゾンの公式案内は、この仕組みを次のように説明しています。「アメリカ圏の一部セルフガソリンスタンドで、カードをご利用になる場合、郵便番号(ZIP-CODE)を入力するよう求められることがございます。これは、カード取扱端末機にAVS(Address Verification Service)という悪用防止を目的とした本人確認システムが導入されていることによります。そのシステムに日本の郵便番号が存在しないため、日本のカードをお持ちの方は確認不能となり、カードのご利用を拒絶されることとなります」
つまり、求められているのは「カードの請求先住所の郵便番号」であり、その照合先に日本の住所が入っていません。日本の郵便番号を入力しても通らないのは、入力の仕方が悪いからではなく、仕組み上の理由です。
対処法として同社が案内しているのは「このような場合には、お手数ですが、別の有人のスタンドをご利用くださいますようお願いいたします」というものです。セルフのガソリンスタンドで弾かれたら、有人のカウンターで支払うのが確実といえます。レンタカーで移動する予定があるなら、給油は有人スタンドを選ぶか、現金も用意しておくと安心でしょう。
暗証番号がわからない場合
海外で意外と多いのが、暗証番号(PIN)の入力を求められて手が止まるケースです。クレディセゾンの公式案内は「ICクレジットカードのご利用には暗証番号が必要です。暗証番号をご存知でないと、ICカードがご利用いただけない場合もございます。渡航前に必ず、事前確認をお願いたします」と呼びかけています。
JCBも、アメリカやイギリスでのカードの使い方として「タッチ決済が反応しない場合は、カードを差し込んでのお支払いに切り替えてください。暗証番号(PIN)の入力を求められることが多いため、渡航前にご自身の暗証番号(PIN)を確認してください」と案内しています。
海外のATMで、国や地域によっては5桁以上の暗証番号入力を求められることもあります。この場合もクレディセゾンは「そういった場合でも4桁の暗証番号をそのまま入力してください。万が一、次の画面に進まない場合は、別のATMをご利用いただくか、窓口キャッシングをご利用ください」と案内しています。
システムに不正利用を疑われた場合
日本で使うときも同じですが、不正利用を疑われるとカードは使えません。クレジットカードは不正利用対策を徹底しており、自動的に不審な利用を検知するシステムが備わっているのです。
利用者の普段の行動から、「別人の利用である」と機械的に判断されるとロックがかかります。極端な例では「日本でカードを使った直後に海外で決済されている」などがありますが、普段の利用傾向と異なる決済をする場合は注意しましょう。
想定外に使えない場合に備えて、複数のカードを持っていくとリスクが軽減します。カードの利用可能枠を超えている可能性もあるため、高額な支払いが見込まれるときは、出発前に利用可能枠を確認しておきましょう。
パスポートの提示を求められる場合
海外では、クレジットカードを使うときにパスポートの提示を求められるケースがあります。毎回必要なものではありませんが、何かあったときのためにもパスポートは携帯しておきましょう。
カード利用だけでなく、パスポートは外国人の身分証明書として活用されています。身分証明書を求められる施設への入場や、トラブルの際には提示を求められるでしょう。ホテルや滞在先に置いてきてしまった場合には決済ができないこともあるため、注意が必要です。
海外に行く前に準備すること
現地に到着してから慌てないように、渡航先やカード会社の情報を集めるのも大切です。ある程度の準備は、日本で済ませておきましょう。カード選びのポイントも解説します。
複数の国際ブランドのカードを用意
海外に行くときは、「訪れる国で普及している国際ブランド」を調べましょう。渡航先でどの国際ブランドが主流なのか分からない場合は、世界的にシェアが高い「Visa」か「Mastercard®」をメインに、サブブランドを1~2枚持っていくと便利です。
日本でメジャーな「JCB」は、公式サイトによると約160の国と地域で利用できます。アメリカについては「JCBカードはアメリカの大手カード会社ディスカバー(Discover Financial Services)社との提携によりJCBロゴの表示がなくても、ディスカバーのロゴが表示されていれば原則ご利用いただけます」と案内されています(ごく一部の店舗では取扱いが異なる場合あり)。
また、JCBは海外に「JCB PLAZA」というサービス窓口を設けており、そのうち一部の主要都市には会員専用の「JCBプラザ ラウンジ」があります。公式サイトの設置都市一覧には、ホノルル・グアム・ソウル・香港・バンコク・パリ・シンガポール・台北などが挙げられています。現地で日本語のサポートを受けたいときに役立つでしょう。
カード会社の問い合わせ先を確認
海外に行く前に、クレジットカードの問い合わせ窓口を調べておきましょう。カードの裏面に記載されている番号やインターネットの情報は現地でも確認できますが、カードを紛失して慌てる前に別途控えておくのがおすすめです。
「一般の問い合わせ窓口」と「紛失・盗難時の緊急連絡先」を確認しておきましょう。JCBの場合、紛失・盗難のほか、ケガや病気の際の病院案内などに日本語・英語で対応する「JCBプラザコールセンター(海外)」を24時間・年中無休で設けています。
トラブルが起きていないときでも、カード会社のサポート窓口は利用できます。加盟店の予約や観光案内など、日本語でのサポートが必要なときに活用しましょう。
海外旅行傷害保険は「付帯条件」まで確認する
クレジットカードには「海外旅行傷害保険」「ショッピング保険」などが付帯しているものがあり、万が一のトラブルに備えられます。ただし、持っているだけで補償されるとは限りません。
JCBの公式Q&Aは、両者の違いを次のように説明しています。「自動付帯:カードを持っているだけで補償が受けられます。利用付帯:旅行代金の支払いなど、特定の条件を満たした際に補償が受けられます」。利用付帯のカードで、旅行代金を別のカードや現金で支払ってしまうと補償が受けられません。出発前に、自分のカードがどちらなのかを必ず確認しましょう。
適用対象もカードによってさまざまです。JCBの公式Q&Aは、出張や留学も補償の対象になるとしたうえで、補償期間は出発から3ヶ月(カード種類により2ヶ月)だと案内しています。補償期間を超える場合は、出発日から任意の海外旅行保険への加入を検討するようすすめられています。長期の滞在では、期間や状況に合わせて任意保険を組み合わせるのがおすすめです。
保険が付いたカードを複数枚持っている場合の扱いも、補償内容によって異なります。JCBの公式Q&Aによると、死亡・後遺障害保険金は「それらのうち最も高い保険金額を限度として、それぞれの保険から按分して保険金が支払われます」、その他の保険金は「それらの保険金額を合算した範囲内で実際の損害額を限度として、それぞれの保険から按分して保険金が支払われます」とされています。単純に足し算した金額がそのまま受け取れるわけではない点に注意しましょう。
支払方法で日本と違うところ
日本ではクレジットカードでの支払い時に、一括払いや分割払いなどさまざまな支払方法を選択できます。しかし、海外は日本と同じではありません。どのような支払方法があるのでしょうか?気になるレストランでの使い方も紹介しましょう。
海外での利用は原則1回払い
日本では店頭での支払いの際に、一括払い以外の支払い方法を選択できます。しかし、海外では店頭で支払方法を聞かれることは基本的にありません。
三菱UFJニコスの公式サイトは「海外でのご利用は原則1回払いになります。分割払い・リボ払いなどその他のお支払方法をご希望の場合は、出発前またはご帰国後にお手続きが必要です」と案内しています。同社では、出発前に登録型リボへ登録しておく方法と、帰国後に「あとde分割」「あとdeリボ」で1回払いの利用分を変更する方法が用意されています。
後から変更できるかどうか、締切がいつかはカード会社によって異なります。分割やリボを使いたい場合は、出発前に自分のカード会社の対応を確認しておきましょう。海外で使うときは、一括で支払える程度に抑えておくのが安全です。
レストランでの使い方とチップ欄
海外のレストランでは、テーブルでの会計が一般的です。スタッフを呼ぶと、会計の伝票を持ってきてもらえます。一例として、チップ文化が根付いているアメリカ圏での使い方を紹介しましょう。
クレディセゾンの公式案内によると、カード売上伝票の「チップ欄、合計欄が空欄の場合は、ご自分でチップの金額と合計金額をご記入いただく必要がございます」とされています。
注意したいのは空欄のままサインすることです。同社は「チップ欄と合計欄を空欄のままでサインされますと、レストラン側で好きに記入してよいと認めたことになり、レストラン側が随意にチップの金額を記入して合計金額を請求されることとなります」と警告しています。
現金でチップを払う場合の書き方も案内されています。「現金でチップをお支払いになる場合は、ご自分でチップ欄に『×』などを記入のうえ、合計欄にはチップを含まない合計金額をご記入ください」。なお、伝票に「サービス料」としてチップが含まれているときは、追加の支払いは原則必要ありません。
ホテル・レンタカーでは後から追加請求されることがある
海外のホテルやレンタカーの利用では、「デポジット」としてカード情報を控えられることがあります。あわせて知っておきたいのが、精算後の追加請求です。
クレディセゾンの公式案内は「レンタカーやホテルなどのサービス業者が、精算後に発見されたご利用代金や費用・損害などをカード会員本人のサインなしに別途の契約書や伝票を基に追加請求する『Guarantee』(ギャランティ:支払保証)と呼ばれる、海外では一般的な取り引きです」と説明しています。
同社は「レンタカーのご返却・ご精算時には、『ガソリン代も支払料金に入っているか』、ホテルでのご精算時には『ミニバーやサービス料金が入っているか』などを十分にご確認ください」と呼びかけています。
また、予約をキャンセルせずに利用しなかった場合は「No Show Charge」として当日分の利用代金が請求されます。キャンセル手続きの際は、キャンセル番号をもらって控えておくと、誤って請求されたときにキャンセルを立証できます。
クレジットカード海外利用の注意点
海外でクレジットカードを使うときは、手数料や決済時の確認を忘れないようにしましょう。普段と同じ感覚で使っていると、予定よりも請求金額が多くなる可能性もあります。慣れない海外での利用であるからこそ、使った金額をきちんと把握しておくことが重要です。
海外事務手数料はカード会社によって違う
海外でのクレジットカード利用には、所定の「手数料」がかかります。カード会社が日本円を外貨に換えるための、事務コストのようなものです。国際ブランドが定める基準レートに、この手数料を加えたレートで日本円に換算される仕組みです。
率はカード会社によって差があり、近年は引き上げが相次いでいます。各社が公式サイトで公表している率は次のとおりです。
JCB:「海外でのご利用時には、基準レートに1.6%を加えた換算レートで日本円に換算をします」
三井住友カード(クレジットカード・Visa/Mastercard®):事務処理手数料率3.63%(含む消費税等)
楽天カード:海外事務手数料3.63%(税込み)
三菱UFJニコス(Visa/Mastercard®):3.85%(税込)
現地の外貨口座を持っているケースを除き、「両替」にも手数料がかかります。手数料の差が気になるなら、渡航前に自分のカードの率を公式サイトで確認し、率の低いカードをメインに使うとよいでしょう。
日本円での決済を選ぶと割高になることがある
海外の加盟店では、現地通貨と日本円のどちらで決済するかを選べる場合があります。このとき選ぶべきは「現地通貨」です。
JCBは公式サイトで「日本円でのお支払いを選択された場合、お客様の同意された円額(レシート掲載)でのご請求になります。なお、当該日本円額は、JCBが定めるレートではなく、加盟店が独自に定めるレートで換算されています」と説明しています。三菱UFJニコスも「加盟店独自の換算レートが適用され、通常の換算レートより割高になることやご利用いただけない場合もございます。日本円(あるいはUSドル)での請求を希望しない場合はその場で加盟店に申し入れ、現地通貨でご利用ください」と案内しています。
レシートに日本円の金額が併記されているときは、その場で「現地通貨で」と申し出ることが大切です。クレディセゾンも「その時点で加盟店に日本円額でのお支払いを希望しない旨の申し入れを行わないと、現地加盟店から日本円額で決済センターにご利用データが持ち込まれ、決済センターにおいて換算処理は行われません」と説明しています。
海外のATMでキャッシングを利用するときも同じです。日本円を選ぶと、ATM側で手数料を上乗せしたレートで換算されるため割高になる可能性があります。
なお、アメリカン・エキスプレス®では、メンバーシップ・リワード・プラスに登録済みの個人向けプラチナ・カード会員限定のオプションプログラム「海外利用ボーナスポイントプログラム」(無料)に登録すると、外貨建ての利用が100円=3ポイントになります。ただし公式は「外貨建てのお支払いを選択しても、加盟店側で円換算した金額が請求された場合は日本円建てのご利用となるため、ボーナスポイントの対象外となります」としており、ここでも現地通貨での決済が前提です。
決済時の確認とレシートの保管は必須
日本でもクレジットカードの利用時にはレシートが発行されますが、海外での利用のときも同様です。請求とレシートの金額が大幅に異なるようなトラブルの際に、証明する手段として役立ちます。
考えているよりもレシートに記載されている金額が大きいことも想定し、決済前の確認も大切です。コミュニケーション不足や間違いなどで、レシートの記載金額が予想よりも高いことはありえます。
返金が発生する場合も、証明書を必ず受け取りましょう。クレディセゾンの公式案内には「海外ではご利用から120日を過ぎての申し入れには応じないことがあります」とあり、帰国後は利用明細で返金がなされているかを早めに確認する必要があります。
スキミング等の犯罪に巻き込まれないために
「スキミング」は、カード情報を読み取って偽造カードを作り出す犯罪です。多くの場合、カード情報が読み取りやすい磁気ストライプが狙われます。
カード紛失時にすぐカード会社へ連絡するのも大切ですが、それ以外の方法でトラブルを防ぐにはどうすればよいのでしょうか?
ICチップ付きカードを使う
「ICチップ」搭載のカードは、ICチップに大切な情報が組み込まれており、情報の暗号化に対応しています。磁気ストライプだけのカードに比べて、スキミングなどの犯罪に強いといえるでしょう。海外にクレジットカードを持っていくときは、ICチップ搭載のものにするのが賢明です。
ICチップ搭載カードを使うには暗証番号が欠かせません。前述のとおり、クレディセゾンは「ICクレジットカードのご利用には暗証番号が必要です」として、渡航前の確認を呼びかけています。暗証番号を忘れている場合は、出発前にカード会社の会員サイトなどで確認しておきましょう。
なお、暗証番号は絶対に他人に教えてはいけません。同社は「警察官やカード会社といえども、暗証番号を尋ねることは絶対にありません」と注意を促しています。現地で職務質問と称して暗証番号を聞かれるケースがあるため、覚えておきたいところです。
タッチ決済を活用する
カードやスマートフォンを端末にかざして支払うタッチ決済は、海外で広く普及しています。JCBの公式サイトは、アメリカについて「アメリカではタッチ決済が広く普及しており、多くの店舗や公共交通機関で利用できます」、イギリスについて「イギリスではタッチ決済が広く普及しており、多くの店舗で利用できます」と案内しています。
スタッフにカードを渡す必要がなく、カードを渡したときに情報を盗まれるリスクを避けられます。タッチ決済が反応しない場合は、カードを差し込んでの支払いに切り替えましょう。なお、タッチ決済の場合も高額の支払いでは暗証番号(PIN)が必要になることがあります。
非接触決済に対応している場所では、積極的にタッチ決済を利用しましょう。
まとめ|海外の郵便番号入力は有人カウンターで対処する
海外のセルフ端末で求められるZIP code・postal codeは郵便番号のことですが、AVSという本人確認システムに日本の郵便番号が存在しないため、日本発行のカードは利用を断られることがあります。この場合は、有人のカウンターやスタンドを利用するのが公式の案内です。
そのほか、海外での利用は原則1回払いであること、海外事務手数料がカード会社ごとに違うこと、日本円建てを選ぶと加盟店独自のレートが適用されることも押さえておきましょう。
出発前には、暗証番号の確認、海外旅行傷害保険が自動付帯か利用付帯かの確認、緊急連絡先の控えを済ませておくと安心です。複数枚のカードを持っていけば、1枚が使えないときにも慌てずに済みます。